ご存知の方も多いと思いますが、2015年 9月14日 この海豹旅団ホームページの管理人であるmocciが魚突きの最中に海で亡くなってしまいました。

そのため、このホームページを更新編集する手立てを失ってしまい、更新できずにいましたが、今回やっとのことで、ホームページ管理会社と連絡がつき、特別に対応していただけまして、引き継ぎ 更新できるようになりました。


まず初めにキャプテンMoCCiが命をおとしてしまった詳しい内容をここでお知らせしたいと思います。




彼は努力家である。

常人では到底真似の出来ないようなトレーニングを重ね、筋骨隆々の身体を作っていた。

周りの人では辿り着けないぐらい深く、そして、長く潜る男であった。


そんな彼の訃報を聞いた時に『何故?、彼がミスを犯した?何故そんな水深でやってしまった?』と、とても理解できず、信じることができなかった。



そして・・・



悔しさだけが残った・・・。




彼とは幾度となく試行錯誤し、一緒に潜りたくさんの楽しい時間を供にしてきた。


今はまだ仕事もあるから自由にあちこちの海にたくさん行くことはできないけど、じいさんになって、老後の生活をおくれる様になったら、心ゆくままに、一緒にいろんなところに行こう! そう話していた。



しかし、もう、それは2度と出来ない。




叶わぬ夢となってしまった・・・。




スピアフッシングとは自然相手の遊びのため、とても危険が伴う。

大きな魚を見つけたり、獲りたい魚がいた時などはつい無理をしてしまうこともあるかもしれない。


スピアフッシングを楽しむ全ての人たちに、このような経験は出来るだけして欲しくない。


家族や友人を悲しませることなく、いつまでもスピアフッシングを楽しんで欲しい・・・


人生を楽しくするソースとして。


そんな想いがあり、今回の事故の経緯について書き記しておきたい。



水中での一部始終は分からないので想像や憶測も含まれてしまうが、今回の事故の原因について書くことで、彼のプライドが少しでも保たれれば嬉しく思う。

それと共に、これを読んでくれる人の安全意識向上になってくれたらと思う。


※今回、この内容をHPにてUPすることはもっちの御家族の了承を得ています。



※この先は医療にたずさわっている友人 黒い箱さんの協力を得て書きます。




今回の1番の原因は『脳出血』である。と私は考えている。


脳に出血を起こしていることは、司法解剖により明らかにされている。



最初に記述したが、ここからは想像も含まれてしまうので正確な内容ではないかもしれない・・・



彼は海に潜った9月14日の1~2週間前、仕事中にトラックが横転するほどの事故に巻き込まれていた。


その時の話しによると、彼は助手席に乗っていたのだが、運転手と自分の身体を手足に力を入れ、突っ張ることで支えたとのこと。

そのおかげで、運転手と共に大きな怪我は免れた。


しかし、代償として首、腰を痛めてしまった。



メンタルも強い彼は、そう簡単に弱音を吐く男ではない。

そんな彼が腰痛にてブロック注射を打つほどだったので、かなりの痛みだったと想像出来る。


※ブロック注射とは:関節内に直接注射針を刺して麻酔薬や抗炎症薬などを注入し、痛みを緩和すること。



海へ潜った日は、睡眠時間を充分に取り、友人達と交代で車を運転していたため体力的には疲労感も少なかったとのこと。



そして友人達と海に潜り・・・ 



帰らぬ人となった。


司法解剖の結果、脳出血を起こしていることは間違いない。それと、原因とまではならないらしいが心臓に心臓発作となり得るものもあったことがわかった。


彼は『慢性硬膜下血腫』を起こしていたようだ。


※慢性硬膜下血腫とは:頭部外傷後慢性期(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。慢性硬膜血腫は通常、高齢で男性に多く見られます。一般的は軽微な頭部外傷後の慢性期(3週間以降)に頭痛、片麻痺(歩行障害)、精神症状(認知症)などで発症します。年間発生額度は人口10万人に対して1~2人とされています。原因は一般に頭部外傷で脳と硬膜を繋ぐ橋静脈の破綻などにより硬膜下に脳表の髄液などと混ざった血性貯留液が徐々に被膜を形成(図2)しつつ血腫として成長するとされています。血腫を覆う膜(被膜)は厚い外膜と薄い内膜から構成されています。好発部位は前頭,側頭,頭頂部で、右か左かの一側性のことが多いのですが,時には両側性(約10%)に見られます。


簡単に説明すると、


頭部を打った後に脳内が出血を起こす。

                ↓

微量づつジワジワと出血するため最初は無症状。

                ↓

しかし出血は止まらず、徐々に脳内で血の塊が大きくなり1ヶ月ほど経過した頃、ある程度大きくなった血の塊が脳を圧迫して、半身麻痺や呂律障害、認知力低下などの精神症状が出現する。


という疾患である。



そして、彼は海で潜水、浮上を繰り返すことで、水圧を受けた身体は血圧が上昇し、脳内の微妙に破れていた血管にも圧力がかかり、一瞬にして血管が破れたのではないか?


そして、海中で半身麻痺が出現したり、ブラックアウトのように失神してしまった可能性もあるんじゃないかと思った。


解剖の結果はそれほどの出血ではなく、にじみ出る程度だったようだが、原因としては関係ないとは言えない。

詳しく原因が特定されるには何ヶ月もかかると言われていて待っている最中だが、すでに8ヶ月が過ぎた。



『30代の屈強な男性が脳出血など起こすのか?』と言われたら・・・


それは『絶対ない』とは断言できない。


普通の生活をしていたら限りなく少ない話であるのは事実である。



しかし、彼はトラックが横転する程の事故に遭遇し、頭部を打っていないとは考えがたい。


そして、実際に脳出血を起こしてしまったのも事実であったため、このような仮説でしか説明出来ないと私は感じている。


脳出血自体で即死する可能性も、なくはないが…



もし、脳の血管が陸上で破れていたら、麻痺は残るにしても命は助かったかもしれない・・・


もし、海に潜る前に半身麻痺などの症状がでていたら、潜らずに病院へ直行していたかもしれない・・・



そんなことを考えると、『その症状が出た時の居場所が悪かった。』と私は思ってしまう。



そして、私は『脳出血を起こしていた。』と聞き、このような仮説を立てた時に、彼が亡くなってしまったことに変わりはないのだが・・・



『彼のミスではなかったんだな。これなら彼のプライドが保たれるな。』


そう思い、少しだけ気持ちが軽くなった。



今までこのように数週間前に事故や転倒などにより頭を打ったりして、本人にもこれといった症状もなく、海に潜って脳内出血したという事例は聞いたことないと思うが、こういうことも大いにある! 

外傷もないし、頭痛もないから大丈夫だ!と安易に考えないで、海にいくことをグッと我慢して、鞭打ちなども完全に治るまでの1~2ヶ月間は治療に専念しよう。

1つの教訓が増えたとおもう。


あんなにも屈強な人でもこんな悔しいことになってしまったんだから。


安全提起はほかの魚突きホームページにも書いてあるが、自分の身近な仲間であった事故のことを発信しているところはそうはないと思う。 

本当に書くか悩みに悩んだ。 そっとしておいて黙っていることも1つの手ではあるが、俺たちキャプテンの死を無駄にするのではなく、海で遊ぶ人たちの安全提起になってくれたら・・・と思いこのように書きました。




この先も永遠にMoCCiは俺の愛する親友であり、海豹旅団のキャプテンである!

海豹旅団